興味の射程

1年ほど前から大学時代の専攻をちょこちょこプライベートで学び直している。それは、自分がかつて法律学の門をたたきながら、4年間で何も身に着けることなく卒業してしまったから。

たとえば民法。所有権の取得時効とか不動産の物件変動の対抗要件とか、内容が専門的になっていくほど「そういうルールがあるんだろうけど、各論のこまごまを学んで何になるんだろう」と冷めてしまって。法曹や公務員を明確に志して入ったわけじゃなかったので、動機の弱さも響いたと思う。

だから今度はとっつきやすそうな仕方で学ぼうと、しばらく前から『法学を学ぶのはなぜ?~』的な中高生向けの教養書を読んでみたり、法改正をとりあげた新聞記事を読んでみたり、初めて裁判の傍聴に行ってみたりもした(闇バイトに応募してしまった方の裁判で、初回から結審まで見届けた)。

裁判傍聴はほどけない重さがずっとあって、もし大学に入った直後に行ってたら、法律への意識が少しは違った気がする。

考えるテーマ的には、法哲学とか法思想史の「法とは何か」「規制をする根拠は何か」みたいな大きな議題は考える余地が広くてわりと好きだった。けど細かい各論の本は読んでも続かないか頭に残らずのデジャブ。

自分にとって法律は、立憲主義みたいな思想しかり個々のルールしかり「そうだよね」って納得できるものが多くて、「いやそれはおかしいでしょ」って反発を感じることが少なかったのもある。政治とか経済のほうが、「この人全然中身なさそうな政策だけど組織票で当選するのかなあ。どうしたら組織票に勝てるんだろう」とか、考えたい火種が残ることが多い。そういう嗜好の向きなのか。

ただ今でも胸を張って法律学んでたと思えるようになりたい気持ちはくすぶっているので、この前も「法律 ゲーム」とかネットで検索した。全然出てこなかった。

法律ドラマでも見るかー?