とけて、ほどけて、それで

何か新しいものに手を出したくて、昔のことを思い出せるかもという願望も込めて、1か月ほど前から入浴剤をお風呂に入れている。

子供の頃にも実家で入れてた『バブ』の、500円で20日分セットになってる箱型のやつ。香りはゆずっ。「ゆずってなんであんなにお風呂に合うん?」って、なんかその組み合わせがめぐり会えてることがすごいなって思う、お気に入りだ。

入浴前にお風呂のドア前の箱から1個取り出して、浴槽にぽとん。湯船に浸かっているときの香りは感じるか感じないかくらいのほのかなもので、それは外を歩いてるときにふと匂うように自然で、でもお湯の中から両手を取り出して顔を覆うと、確かな柑橘の香りがほわっとくる。目を閉じている真っ暗の中でただ感覚だけがあって、あぁ、いいにおい・・。きもちいだけの世界。風景が一つ足されたみたいに、お風呂の楽しみポイントが増えたなあって思う。

 

最初買い始めた頃、入浴剤は贅沢品・道楽品という観念があった。でも冷静に考えてみたら、500円で20日分なら1日25円なわけで、そう考えると恐縮するほどの嗜好品でもなくない?と気付いたときは、じゃあ店頭の値札にも25円×20日って書いたら安く感じるのでは?と閃いた気になったけど、すぐに「違うそうじゃない」って分かったから、今はただ素直に贅沢してる。贅沢で気持ちいい、それでいいのだ。