案内された部屋に着いてから、1曲だけキメてマイクを置いた。鋼とは言えないアルミ缶くらいの固い意志で気持ちを切り替え、テーブルに置いたスマホに向かって話しかける。
「転職理由としては大きく2つありまして、まず一つ目は・・」
夕方のカラオケボックス、フロアに響く女の子の大熱声がドアなんて突き破って入ってくる。「君は〜完璧で究極のアイドルっ♫」。
うん、とても楽しそう。これ確実に録音に声入るな。ならでは感あっていいか。
つい最近、カラオケボックスでの面接練習を始めたんだけど、これが思いのほかよかった。(再就職活動の準備をする中で、自分の考えを紙に書き出してはいたけど、実際に口に出してみないとなあと思って始めた。)
家でなくカラオケボックスを選んだのは、やるしかない状況でえいやと始めるため。あとちょっとは楽しそうな気がして。
で、実際やってみた感想。
まず何より、練習行くのがちょっとだけ楽しみになる。歌う目的が加わることで、おっくうさの暗がりにワンポイントの灯りがついた。
あと面接練習の休憩がてら歌ってると、焦りや不安を一時的にリフレッシュできていい。
[面接練習]:まずいこの内容じゃラクしたいだけだと思われるどーしよ…。
[歌う]:BUMP OF CHICKENさんやっぱいいなあ。ここの歌詞の意味って・・。
[面接練習]:どーしよ…。
・・・まあ、あくまで気分転換ですね。
最後に、これは嬉しい誤算だったけど、大学時代ぶりにカラオケ熱が再燃したw。歌うの気持ちいいー。これから何回も足を運ぶんだし、いろんな曲歌えるようになりたいな。それこそBUMP OF CHICKENさんのAuroraとかREOLさんの宵々古今とか。
万一この練習会が100回とか続いちゃったときは、面接で「趣味はカラオケです。最近持ち歌が48曲ほど増えました」って言えるのでよし。
頑張ろう。